①実用新案権(考案)
「考案」について特許庁に実用新案登録出願をすることで、実用新案法に基づき実用新案権を取得することができます。
発明が特許法で「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なもの」と定義されていることに対し、考案は実用新案法で「自然法則を利用した技術的思想の創作」と定義され、特許発明ほどの高度性を求めていません。
また、発明と異なり、「方法」については実用新案権を取得することができません。
その分、権利の存続期間は10年と特許権よりも短くなりますが、その分権利維持にかかる費用は特許権よりも安価であり、形式的審査のみで権利を付与する「無審査登録主義」が採用されているため特許権よりも早期に権利取得することができます。また、特許権と同様に他者に対して実施権を許諾することができます。
②意匠権(意匠)
「意匠」について特許庁に意匠登録出願をすることで、意匠法に基づき意匠権を取得することができます。
意匠は「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるもの」と定義され、意匠権を取得することで、第三者に模倣されやすい物品の外観デザインを保護することができます。意匠権については他者に対して実施権を許諾できます。
登録には新規性や創作非容易性などが要件となり、令和元年度の法改正により、権利の存続期間が出願から25年となりました。
③回路配置利用権(半導体集積回路の回路装置)
「半導体集積回路の回路装置」について経済産業省に設定登録を申請することで、半導体集積回路の回路配置に関する法律に基づき回路配置利用権を取得することができます。権利については創作者又は部局において管理いただきます。
権利の存続期間は設定登録から10年であり、他者に対して利用権を許諾できます。
④育成者権(植物の新品種)
植物の新品種について農林水産省に品種登録を出願することで、種苗法に基づき育成者権を取得することができます。
登録には区別性や均一性、安定性などが要件となり、植物新品種の育成者の権利保護が図られます。育成者権の存続期間は品種登録の日から原則25年であり、他者に対して利用権を許諾することができます。
⑤著作権(プログラム・データベースの著作物)
著作権は、特許権などとは異なり、権利の発生に何ら手続を必要とせず、原則としては著作者個人が著作権者として自らの権利を把握することになります。
ソフトウェアに関する研究活動においては、「オープンソースソフトウェア」として研究者等の間での自由な提供の潮流もあり、また、得られたプログラム及びデータベースは研究者等の研究成果それ自体であるとも考えられることから、プログラム及びデータベースの著作物については、その著作者に運用を委ねるのが適切と考えられ、著作者による運用を優先させます。権利については著作者又は部局において管理いただきます。
ただし、産業利用(収益事業)を図る場合には大学が組織的に関与、運用しますので、産官学連携本部まで届け出てください。
届出があったプログラムの著作物については、本学に著作権が帰属することとなり、また、データベースの著作物については、契約により、著作権を個人から本学に帰属させて、本学が企業に対して著作物使用許諾する契約を締結して収益化を図ります。収益があった場合は実績補償・研究費補償として研究者に還元します。
⑥ノウハウ
発明については特許法に基づいて特許権という独占的排他権を取得し、保護することができますが、その代わり、発明の技術的内容は公開されることになります。
これに対し、特許出願をせずに技術情報を内部でノウハウとして秘匿化しておくことで、技術的価値を高めることもできます。秘匿したノウハウについて、企業等に技術を開示する契約を締結し、収益化を図ることが可能となります。権利については案出者又は部局において管理いただきます。
秘密情報として管理することが適当と認められる情報であって、財産的価値を有し、産業利用を図るものについては、当該創出者と産官学連携本部で協議の上、本部長がノウハウとして指定しますので、届け出てください。
指定されたノウハウについては、当該ノウハウに係る権利を本学帰属として企業との契約による収益化を図り、収益があった場合は実績補償・研究費補償として研究者に還元します。
⑦成果有体物
成果有体物は、「研究に基づき得られた遺伝子,核酸,タンパク質,細胞株,微生物株,実験動物,化合物,試薬,試料,材料,試作品,装置等で,財産的価値を有するもの」と定義しており、学術目的、産業利用目的にかかわらず慎重に取り扱い、適切な契約を締結することが求められます。
目的にかかわらず、創出した成果有体物を学外へ提供する必要ができた場合、企業等から職務遂行のために成果有体物を受け入れる際は、ご相談ください。
①②④については産官学連携本部において管理し、③⑤⑥⑦については部局において管理します。
各種ライセンス契約については、産官学連携本部で調整を行い、大学の契約担当役名義で締結します。
特許権以外の知的財産権についても、国立大学法人神戸大学知的財産取扱規程に基づき、補償を行います。
実用新案権、意匠権、回路配置利用権及び育成者権については、権利登録の際に1万円を支給します。
また、各権利について、企業等へ許諾・譲渡する契約を締結し、大学が対価を得た場合は、実績補償として考案者等個人に対する補償金支給や、研究費補償として所属部局への予算配分を行います。
大学の第三の使命である社会貢献に積極的に取組み、産学官連携等を通じて、「神戸大学の知」の社会活用を実現し、もって経済社会の発展・教育研究の発展・国民の福祉向上・日本の国際競争力向上に資することを目的とする。
本学の教職員等は研究成果の社会活用を本学の責務と認識し、大学は研究活動から、研究成果の保護管理、その社会活用まで一連のものとして捉え、一貫して支援する。
知的財産の活用のために事業的視点に立って機動的に行動すると共に、知的財産の取扱については豊かな社会の形成、産業界及び個々の企業の成長発展のため柔軟に対応する。
(「神戸大学知的財産ポリシー(平成16年3月11日)」前文より)
「知の時代」を迎えて、大学には、教育と研究を通じて長期的観点から社会に貢献することに加え、社会との日常的、組織的な連携を通じて自らの研究成果を直接的に社会に還元し活用を図っていくことを求められている。(国立大学法人法第22条)
また、知的財産基本法においては、大学の活動が社会全体における知的財産の創造に資するものであり、大学が研究及びその成果の普及に自主的かつ積極的に努めるべきことが謳われている。(知的財産基本法第7条:大学等の責務)
このような状況の下、神戸大学は、「大学の知」に基づく知的財産の創造、保護、活用に積極的に取り組む。「神戸大学知的財産ポリシー」は、神戸大学における知的財産の取扱い及び運用に関する基本的考え方を定めるものとして、これを公表する。